脂肪肝とは、その原因と症状
脂肪肝は、いまや国民の3人に1人が潜在的にかかっているといわれる国民病であり、生活習慣病の一つといえるものです。
肝臓に脂肪がたまりその機能が損なわれるもので、やっかいなことに、これといった自覚症状がありません。
「沈黙の臓器」といわれる肝臓の病気らしく、はっきりと体調の悪化を自覚したときにはすでに手遅れのときもある、恐ろしい病気でもあります。
最近は脂肪肝と診断される人が急速に増えており、いまや成人男性の10%、女性の3%にみられる症状となっています。
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脂肪肝という病気はこれといった特徴的な自覚症状がないことから、発見されるパターンとしては健康診断の際の血液検査などによる偶然の発見が、もっとも多いといわれています。
ただし、脂肪肝が進行した場合は、「疲れやすい・体がだるい・食欲がないといった、肝臓病の一般的症状があらわれます。
健康診断の血液検査でたんぱく質の量をみる、GPTやGOT、γGTPといった指標はすでにおなじみのところですが、基本的にはこれらの数値、特にGPTが基準値をオーバーしている場合には、警戒してかかるべきといえるでしょう。
アルコール性の脂肪肝の場合には、γGTPの数値も高値を示します。
もっとも、健康診断で正常だったから安心…とは必ずしも言えるものでなく、脂肪肝の患者のうちGPTが異常値だった人は全体の3割強にとどまるといった、厚生労働省の調査結果もあります。
また、体型がやせていれば、脂肪肝に無縁ということでもありません。
太っていない人の中だけで調べたところ、およそ5人に1人が脂肪肝であったという調査結果もあるようです。
脂肪肝の厳密な定義はないのですが、一般には「肝臓内の(正常な肝臓の場合は4~5%程度の)中性脂肪が、10%以上になった状態」、また病理学的には、「顕微鏡による標本観察で、100個の肝細胞中に30%以上の脂肪空胞が認められる場合」とされます。
脂肪肝が進行すると、超音波やCT検査で肝臓が白く光ってくるため、その識別・診断は、比較的簡単です。
もともと日本人は、別名「節約遺伝子」とも呼ばれる、脂肪を蓄積しやすい遺伝子の素因をもっているとされます。
そのうえさらに、現代の多忙で不規則な生活環境が、患者の増加に拍車をかけているとも指摘されています。
すなわち、内臓脂肪の蓄積によって脂肪肝のみならず、派生的に動脈硬化・高脂血症・糖尿病・高血圧といった生活習慣病をもたらすリスクも、大きく高まります。
脂肪肝の主な原因は、一言でいってしまえば「肥満」「アルコール」「糖尿病」の三つとなります。最初のふたつが、原因のおよそ7割を占めています。
このうち肥満は、食べすぎや偏食による過栄養、そして運動不足などによってもたらされ、内臓に脂肪が貯まるものです。
お酒を飲まないから脂肪肝は関係ない…ということは、決してありません。
アルコール性脂肪肝がむしろ減少傾向にあるなかで、むしろ警戒が必要とされてきているのが、「非アルコール性の脂肪肝(NAFLD)」なのです。
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の原因は、脂や糖分の多いバランスを欠いた食生活や運動不足による、内臓脂肪の増加です。
また最近は、性急なダイエットを行った若い女性などが、体内のタンパク質が不足して、脂肪が排出しにくくなり肝臓にたまることによって発症するケースも、珍しくないようです。
この非アルコール性の脂肪肝(NAFLD)が恐ろしいのは、進行した場合には「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と呼ばれる病気へと進む可能性があることです。
脂肪肝の人の一割程度、患者数にして約100万人が、この「NASH」に該当すると言われています。
「NASH」は比較的最近話題になりはじめた病気であり、脂肪肝にストレスが加わって起こるとの説もありますが、詳しい原因もまだ不明で確立された治療法もありません。
「NASH」は、他の肝臓の病気と同じく、初期の自覚症状はほとんどないのですが、患者のうちおよそ一割程度は病状が進行し、数年以内に肝硬変や肝臓がんになるとされています。
「NASH」は、アメリカにおいてはウィルス性肝炎やアルコール性肝障害に次いで多い肝臓病となっていますが、欧米型の糖分や脂の多い食事に慣れ、運動不足気味の日本人にとっても同様の状況が遠からず到来するであろう、という警告も発せられています。
肝炎というと、通常は「ウィルス性肝炎」をイメージしがちですが、その意味で「NASH」は「生活習慣病の延長線上にある肝炎」ということになります。
さて、アルコールについては、日本酒三合で毎晩の晩酌を5年間続けると、脂肪肝が発症するといわれています。脂肪肝となったあともお酒を飲み続けた場合は、進行して慢性肝炎あるいは肝硬変や肝臓がんにいたる可能性もあります。
アルコールの場合は、単独での摂取より、おつまみをとりながらの飲酒となるケースも多いので、高カロリーで油っこいおつまみを一緒に長く取り続けているような場合は、さらに肥満が重なるため、少ない量のアルコールでも、脂肪肝はより早く発症しやすくなります。
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脂肪肝 治療のための対策
脂肪肝の治療の方向ですが、基本的には投薬の必要がない病気です。
また、データ的にも長期のものがなく、薬物による治療で確定的効果があると断じられるものはまだ無いようです。
「ウコン」や「マリアアザミのエキス」といった、お酒のみのためのサプリメントも有名ですが、効果に対する見解の確立までには至っておらず、またウコンなどは摂りすぎると貧血になるとも言われますので、サプリメントに過度に期待するのは避けたほうがよさそうです。
それでは具体的な対策は?となりますが、これはすなわち、「食事療法」と「運動」がその中心となります。
食事の量をこれまでの25~30%程度減らし、軽い運動を続けることによって、2週間を過ぎたあたりから、GPTやGOT、γGTP値も下がってきて、状態が好転してきます。
引き続きその状態を続けることで、1~2ヵ月後には肝臓の状態も正常に戻るといわれます。
また禁酒すれば、早ければ1ヵ月、遅くても3ヵ月ぐらいでこれらの数値がだいたい元に戻るとされています。
脂肪肝 治療のための食事療法と運動
成人が一日に必要な摂取カロリーは、一般的に1,600カロリー程度と言われていますので、その線に沿って栄養バランスのよい食事をとるように心がけます。
ただし、脂肪肝があまり進行している場合には糖質と脂質は控え、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどを十分とる必要があります。
アルコールも可能であればやめるべきですが、仕事上どうしても無理な場合などは、断酒がかなわぬまでも、せめて極力摂取を控えるようにするべきでしょう。
なお脂肪肝のための食事・食事療法については、関連サイト「脂肪肝のための食事~食事療法のポイント 1分理解」も、あわせてご覧ください。
運動については、カロリーを消費するような運動でさえあれば、運動の種類を問いませんが、長時間の歩行や水泳など、長く続けられる運動が最適でしょう。
短時間ではげしく汗をかくような運動では、体の脂肪がほとんど使われませんので、運動の種類には注意する必要はあります。
「長く続けられる運動を選ぶ」ことがポイントになることを、おぼえておきましょう。
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【参考サイト】
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